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第一回 原始時代〜先土器時代から縄文時代への移り変わり〜

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さっそく第一回目を始めていきます!

原始時代は

  1. 先土器時代(せんどきじだい)
  2. 縄文時代(じょうもんじだい)
  3. 弥生時代(やよいじだい)

の3つに区分されますが、第一回目は「先土器時代〜縄文時代」までを見ていこうと思います。 

原始時代のポイント
  1. 寒い気候から温かい気候への変化
  2. 気候の変化による狩猟対象の変化
  3. 狩猟対象の変化による住居の変化

先土器時代から縄文時代

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原始時代は「先土器時代」「縄文時代」「弥生時代」の3つの時代から構成されています。

原始時代の最初の時代を「先土器時代」と呼び、今から約1万年前を境に「縄文時代」へと移っていきます。

ちなみに、先土器時代の呼び名ですが、縄文土器が使われる前(先)の時代だから、先土器時代と呼ぶようになりました。

 

次は、考古学的な観点から見ていきましょう。
考古学上「先土器時代」「縄文時代」を以下のように呼びます。

ここで注意しなくてはいけないのが、「呼び名は変わるが時代は同じ」という点です。

呼び名は変わるが時代は同じ①

これを覚えておかないと混乱してしまうので、始めのうちに理解しておきましょう。

ちなみに、考古学とは、発掘調査などによって歴史を研究する方法ですね。

では、旧石器時代新石器時代について少し詳しくみてみます。

旧石器時代(先土器時代)

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出展:http://palaeolithic.jp/sites/tomizawa/

旧石器時代は、打製石器のみを使用していたことから名付けられました。


打製石器は、ただ石を打ち砕いただけの石器で、狩猟の武器や獲物の肉を切るための道具として使われていました。

この打製石器には、

  1. 握槌(にぎりつち)
  2. ナイフ形石器(ないふがたせっき)
  3. 尖頭器(せんとうき)
  4. 細石器(さいせっき)

などの種類がありそれぞれの用途によって、使い分けがされていたこともポイントです。

また、旧石器時代の人々は、大型動物の狩猟や採取を行ない生活をしてたことも忘れては行けません。

かつて、旧石器時代は存在しないという考えられていましたが、1946年相沢 忠洋(あいざわ ただひろ)群馬県岩宿遺跡関東ローム層の中から打製石器を発見したことでその存在が証明されました。

history-of-japan.hatenablog.com

 

新石器時代縄文時代

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出展:https://edo-g.com/blog/2016/01/height.html/zyomon_jidai_l

新石器時代は、打製石器だけではなく磨製石器と呼ばれる石器を使用した時代です。

簡単に言うと、磨製石器は打製石器の進化版。打製石器と同じ方法で作り最後に磨きを入れたものを磨製石器と呼びます。

この磨製石器にも種類があり、

  1. 石斧(せきふ)
  2. 石鏃(せきぞく)
  3. 石刃(せきじん)
  4. 石棒(せきぼう)
  5. 石皿(いしざら)

などが上げられます。

新石器時代の人々も、旧石器時代の生活と同様に狩猟と採集を行っていましたが、その対象が違うことにも注意しましょう。

詳しくは、この記事の後半で解説をしますので、狩猟と採集の対象が変わったことだけ今は覚えておきましょう。

history-of-japan.hatenablog.com

 

気候の変化(寒い時代から温かい時代へ)

先土器時代から縄文時代へ移り変わる約1万年前は、気候が変化した時期でもありました。

 

地質学上、先土器時代を更新世縄文時代完新世と呼びます。

色々呼び名は変わりますが、全て同じ時代であることは忘れないで下さいね。

呼び名は変わるが時代は同じ②

・先土器時代=旧石器時代更新世

縄文時代新石器時代完新世

更新生は、氷河時代とも呼ばれ寒い氷期と、やや温かい間氷期が交互に訪れた時代でもありました。

 

一方、完新世になってからは比較的温暖な気候になり現在と同じような自然環境になります。

 

そして、この気候の変化で人々の生活に変化が生じました。

さて、この更新生と完新世の順番について、試験に出てくることが多いようですので、覚え方を書いておきます。

更新世完新世の覚え方

更新世の「更」には、[さらに/まだまだ]という意味があります。一方、完新世の「完」には[不足がない/終わっている]という意味があります。

と覚えましょう。

 

気候の変化による狩猟対象の違い

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まだ寒かった先土器時代。


日本列島には、「ヘラジカ」「マンモス」「ナウマン象」「オオツノジカ」などの、大型動物が生息していました。

この時代は、まだ大陸が陸続きだったため大型動物が外国から歩いてやってきたと言われています。

 

一万年前を境に更新世から完新世へ変わると、今と同じような温かい気候に変化します。


気候が暖かくなったことで、大型動物は滅びてしまいましたが、草原には森ができ色々な種類のきのみが取れるようになりました。


また、「ニホンシカ」「イノシシ」などの中小動物が様々な所で見られるようになり、狩猟の対象が大型動物から中小動物に変化しました。

 

先程、狩猟の対象が変わるという話をしましたが、気候の変化がきっかけだったんですね。

 

狩猟対象の変化に伴う住居の変化

先土器時代は寒く、植物も満足に取れないため、あまり豊かな生活ではりませんでした。

ですから貴重な食料である大型動物をもとめ移住生活をするしか生きていく方法がありませんでした。

 

一方、縄文時代になると温暖な気候になるため、各地に森ができその森に中小動物が住み着くようになります。

 

これにより、わざわざ大型動物を探しに行かなくても近くの森できのみや中小動物がとれるので、資源が豊富な土地に住み着くことで生活が成り立つようになります。

 

その結果、竪穴住居をつくり定住するようになったんですね。(1番上にある画像は竪穴住居の画像です。)

 

狩猟対象の変化による道具

狩猟の対象が大型動物から中小動物になったことで、狩猟道具に弓矢が加わりました。

 

大型動物は比較的動きが遅いため、槍などで仕留めることが可能でしたが、中小動物はすばしっこいためそうはいきません。

 

そこで、遠くからでも獲物を仕留めることができる弓矢が作られたのです。

 

また、先土器時代では生で直接たべれる植物を採取していたようですが、縄文土器の出現により縄文時代では、煮炊きすれば食べれる植物も採取するようになりました。

history-of-japan.hatenablog.com

 

次で最後です。温暖な気候により日本列島の周辺の氷が溶けると、海ができます。

海ができると魚が取れるようになるので、漁労も盛んに行われる様になりました。

※漁労とは、魚や貝を取ること

 

それに伴い、動物の骨や角を使って作られた「釣り針」「銛(もり)」「やす」などが作られるようになります。

これを骨角器といいます。 骨角器もテストにはよく出てたと思うので受験生の人は覚えておくようにしましょう。

先土器時代から縄文時代への移り変わり一覧

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

今日は、先土器時代から縄文時代を見てきましたが、この時代のポイントは気候の変化です。

気候の変化によって何が起きたかを想像することできれば、覚えやすくなるのでは無いでしょうか?

次は、弥生時代について見ていきますよ!