縄文土器の時期区分と土器の種類
スポンサーリンク
ここでは、縄文時代の時期区分と土器の種類について見ていきます。
縄文時代の時期区分
約1万年前から紀元前4世紀までを縄文時代と呼びますが、実は縄文土器を基準に6つの時期に区分されています。
- 草創期(そうそうき)
- 早期(そうき)
- 前期
- 中期
- 後期
- 晩期
始めの研究では、「前期」「中期」「後期」のみでしたが、研究が進むに連れて「晩期」「早期」が追加され、最後に「草創期」が加わりました。
この6つの区分は土器の種類によって区分されています。それぞれの時期の縄文土器の特徴を覚えるようにしましょう。
追記:時代区分の覚え方を探していたら、面白い覚え方があったので紹介させてもらいます。
A「マラソンって難しいよね」
B「そうそう、早く行かなきゃ前半中途半端になって後半遅れて挽回しようとするから心臓がドキドキするんだよね」
「『そうそう(草創期)』、『早(早期)』く行かなきゃ『前(前期)』半『中(中期)』途半端になって『後(後期)』半遅れて『挽(晩期)』回しようとするから心臓が『ドキ(土器で判別)』ドキするんだよね」
縄文土器の用途と特徴
縄文土器は何に使用されてたの?
縄文土器は主に、食べ物の調理や保存などに使用されていました。
この時代の主食は、「どんぐり」や「クリ」。これらの食材は、アク抜きをしないと美味しく食べることができません。
そのため、縄文土器が作られたと言われています。
縄文土器の特徴
現代では陶器は800〜1200度で焼かれているのですが、縄文土器は、600〜800度という比較的低い温度で焼かれています。
その為、割れやすく黒褐色(こっかっしょく)であることを覚えておきましょう。
また、草創期から晩期になるにつれて厚みが薄くなり、装飾が施されるようになります。
縄文土器の種類
さて、ここからは具体的に土器の種類について見ていきましょう。
丸底深鉢土器がメイン(草創期:今から1万3000年前)
※画像は「隆起線文土器」です
草創期に使用されている土器は、底が丸い「丸底深鉢土器(まるぞこふかばちどき)」が主流でした。
模様には、いくつか種類があり
- 無文(むもん) :模様がない
- 隆起線文(りゅうきせんもん):細く盛り上がった線の模様
- 爪形文(つめがたもん) :爪で付けた模様
などがありました。
尖底深鉢土器がメイン(早期:紀元前8000年〜)
※画像のは「尖底土器」です。
早期には、「尖底土器(せんていどき)」が出現しました。見て分かるように、土器の底が尖っているため自力で立つことはできません。
そのため、炉(ろ)の近く、和らいかい土にさして煮炊き用の土器として使用していました。
尖底土器の「尖」には、[とがっている]という意味がります。ですので、底が尖っている土器は尖底土器と覚えておきましょう。
平底深鉢土器がメイン(前期:紀元前4000年〜)
※画像は「平底深鉢土器」です。
中期には、「平底深鉢土器(ひらぞこふかばちどき)」が使用されています。底が平らなので、竪穴住居内の炉の近くで使用されていました。
大型土器がメイン(中期:紀元前3000年〜)
※画像は「火炎土器」です。
縄文時代の中期になると、装飾が増え大型の土器が使用されるようになります。
画像の火炎土器を見てみると、装飾の豪華さが分かると思います。
小型土器がメイン(後期:紀元前2000年〜)
※画像は「注口土器」です。
中期では、大型の土器が使われていましたが、後期になると小型の土器が主流となります。豪華さより実用性をメインに作られたのでしょうか。
画像の急須のような土器は、「注口土器(ちゅうこうどき)」と呼びます。以外ですが、酒を入れるために作られたと言われています。
器系土器がメイン(晩期:紀元前1000年〜)
※画像は「亀ヶ岡式土器」です。
縄文時代の晩期になると、芸術性が含まれた土器が作られるようになります。土器の大きさも小さくなりより精巧なものが多く現れるようになりました。
特に、「亀ヶ岡式土器(かめがおかしきどき)」は、精度が高いと言われ受験でも良く出題されています。