読むだけ日本史

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【弥生時代】お墓の種類と特徴

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「読むだけ日本史」の資料編「第三回目」をやっていきます。

当初は、集落と墓地を1回で終わらす予定だったのですが、分けたほうが良さそうだったのでその様にしました。

では、さっそく始めていきます。

弥生時代資料編

第一回:稲作の道具とその使用方法

第二回:集落の種類と特徴

第三回:お墓の種類と特徴

弥生時代のお墓

縄文時代は遺体を直接、土に埋める「土葬」が行われていましたが、弥生時代になるとちゃんとお墓を作って遺体を埋葬するようになります。

これは、自分の権力を自分がいなくなった後世に伝えるためと考えられています。その証拠に、弥生時代前期から後期にかけて徐々にお墓が大きくなっていきます。

 それではお墓の種類と特徴について見ていきましょう。

弥生時代のお墓の種類

弥生時代に使われたお墓は多く、覚えるには少し骨がいるかもしれません。しかし、特徴を覚えてしまえば、ある程度対応はできるますので、画像と写真でしっかりと特徴を覚えるようにしましょう。

弥生時代に出現したお墓
  1. 土壙墓(どこうぼ)
  2. 木棺墓(もっかんぼ)
  3. 箱式石棺墓(はこしきせっかんぼ)
  4. 支石墓(しせきぼ)
  5. 方形周溝墓(ほうけいしゅうこうぼ)
  6. 墳丘墓(ふんきゅうぼ)
  7. 甕棺墓(かめかんぼ) 

土壙墓(どこうぼ):弥生時代「前期〜後期」

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出展:弥生時代の墳墓と埋葬一覧

「棺(ひつぎ)」を使用せず、土に掘った穴に直接遺体を埋めて埋葬していた。土壙墓は、弥生時代一般的な埋葬方法で、全期間をと通して日本各地に存在していました。また、縄文時代と違い、弥生時代では遺体の両足を伸ばして埋葬する「伸展葬(しんてんそう)」が多く見られました。

※棺とは、棺桶(かんおけ)のことです。

土壙墓の特徴

埋葬方法:掘った穴に直接、遺体を埋める

期間  :弥生時代の全期間

出現場所:日本各地に出現

木棺墓(もっかんぼ):

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出展:http://www13.plala.or.jp/adachiitami/newpage12.html

弥生時代の各地で見られた埋葬方法です。長方形の土壙の中に、木製の棺をいれて埋葬していました。木製の棺を使用しているので木棺墓といいます。

木棺墓の特徴

埋葬方法:遺体を入れた木棺を土壙に埋め埋葬

期間  :調査中

出現場所:弥生時代各地

箱式石棺墓(はこしきせっかんぼ):弥生時代「前期〜後期」

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出展:竹松遺跡(平成25年度調査)

箱式石棺墓は、縄文時代から古墳時代にかけて長い間使用された埋葬方法です。画像のように掘った穴に板状の石を四方に敷き詰め、遺体を入れる空間を作ったお墓。

箱式石棺墓の特徴

埋葬方法:掘った穴の四方を石で囲い遺体を埋める。
期間  :弥生時代の全期間
出現場所:九州北部から近畿地方多く出現

支石墓(しせきぼ):弥生時代「前期〜後期」

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出展:九州の遺跡探訪 2a(支石墓群)

大型の平たい石を、小さい小石で支えているのが支石墓です。よく画像を見てみると大型の石の下に穴が空いているのがわかると思います。実は、支石墓の下には、「土壙(どこう)」と呼ばれる穴が空いていて、そこに箱式石棺墓や後ほどでてくる甕棺墓をいれて埋葬をしていました。イメージ的には、土壙墓の上に、画像のような石が載っているといった感じです。

支石墓の特徴

埋葬方法:掘った穴に遺体を埋め、その上に石を積み上げる

期間  :弥生時代」前期〜後期」

出現場所:九州北部に多く出現

方形周溝墓(ほうけいしゅうこうぼ):弥生時代「中期〜古墳時代

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出展:行司免遺跡の方形周溝墓群

方形周溝墓は、低く盛り土をした墳丘の周りに溝を掘って、お墓の敷地を区切ったものです。墳丘の中央には、土壙をほりそこに遺体を埋葬します。方形周溝墓は、弥生時代中期から後期にかけて徐々に西日本から東日本に広まっていきました。大きさは10m前後のものが多く見られます。

方形周溝墓の特徴

埋葬方法:低く盛り土をした、中央に土壙をあけ埋葬

期間  :弥生時代「中期から古墳時代

出現場所:西日本から東日本

墳丘墓(ふんきゅうぼ):弥生時代「中期〜後期」

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出展:http://mimirappa.seesaa.net/article/314151485.html

 墳丘墓は、首長(小国の王)が現れた事を示すお墓だと言われています。その為、高く盛り土をし、お墓の大きさを大きくすることで首長の権力を後世に伝えようとしたようです。方形周溝墓と違い、周りに溝がないことに注意して下さい。ちなみに、次に出てくる古墳は、墳丘墓と方形周溝墓が合わさったものが古墳となります。

墳丘墓の特徴

埋葬方法:周りに溝はなく、高く盛り土をしたお墓
期間  :弥生時代「中期から後期」
出現場所:九州地方〜東海地方

甕棺墓(かめかんぼ):弥生時代「前期〜後期」

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出展:かながわ考古学同好会

地面に土壙を空け、遺体を入れた甕棺を埋葬する。北九州北部に多く、大型の甕棺を使用していた。甕棺の中には遺体の他に副葬品が入れられたものがあり、強力な首長のものだと考えられている。

甕棺墓の特徴

埋葬方法:甕棺に遺体をいれ土壙に埋葬する。
期間  :弥生時代「前期〜後期」
出現場所:九州北部に多い

遺体と共に埋葬された副葬品

副葬品は、使者を埋葬する際に遺体と共に納める品物の事を指します。全ての遺体に副葬品が納められていたわけではなく、権力をもつ人物の埋葬時に副葬品を納めたとされています。

ちなみに、この時納められたものは使者の日常生活時の愛用品や来世で使うための用品を納めたとされています。

痛いとともに納められた副葬
  1. 土器
  2. 石器
  3. 武器
  4. 農具

弥生時代のお墓の移り変わりをイメージ

ただ単に、丸暗記しようとすると覚えられないので、土壙墓からお墓の移り変わりをイメージしてみましょう。

土壙墓

ただ、穴を掘っただけ。

木棺墓

そのまま土に入れたら可愛そうだから、せめて木の箱に入れてあげよう。

箱式石棺墓

木だと腐って壊れちゃうから、頑丈な石で埋葬してあげよう。

支石墓

権力者のお墓だから、大きな石を立てて目立つようにしてあげよう。

方形周溝墓

権力者のお墓だけど、大きな物は作れないから溝を掘って区画をきめよう。

墳丘墓

溝だと分りづらいから、土をもって大きく目立つ墓を作ろう。

 

確実に、当時の人はこんなふうに考えてはいなかったでしょうがお墓を覚えるためのイメージとして参考にしてみてください。